若い人たちの映画離れが進んでいるらしい。特に、洋画は字幕を読むのが面倒だとか言う人もいるそうだが…。
だからといって、日本映画の方が展望があるかというと、そう安心もしていられない。
ケータイやら何やらに使うお金と時間に忙しく、映画だったらDVDやテレビで見ればいいじゃんという人も多いようだ。 では、見る側ではなく、若い映像の作り手たちはどうなのだろうか?
「SRサイタマノラッパー2 女子ラッパー☆傷だらけのライム」の入江悠、「さんかく」の吉田恵輔、「川の底からこんにちは」の石井裕也の三人は、今年のうえだ城下町映画祭でも、それぞれの作品が上映された今注目の若手監督たちだが、
彼らに共通しているのは、「自主制作映画」が出発点であるということだ。
それぞれに、映画作りを学校で学び、学生の頃から自分たちの手で作品を作って(その資金も自分たちで捻出して)世に出てきた人たちだ。
当然、その描く世界観も面白みも、既存の映画とは色合いの違うものになってくる。作者の年齢に近い、青春の閉塞感をほろ苦いユーモアに包んだ作品が多いようだ。
昔のように、大手の映画会社に入って先輩監督の元で学んで、というシステムがほとんど無くなってしまった現在、彼らのような作家はますます増えていくだろう。
映画が時代を写す鏡だとしたら、歯がゆいことかもしれないが、彼らの成長に映画の未来の光を見いだしていくことも大切なのかもしれない。
2010.11.27