毎年、このシーズンになるとクリスマスを舞台にしたさまざまな映画が公開される。
ほのぼのしたものからアクション映画まで、数ある作品のなかでもいまだに最高峰に輝き続けているのが、46年のフランク・キャプラ監督の「素晴らしき哉、人生!」。
主人公のジョージ・ベイリーは、小さな町に生まれ、世界中を旅して建築家になることを夢見る青年。
だが、その夢は彼の父親の死によって消えてしまう。 貧しい人たちのために、利益を考えずに住宅金融業を営んでいた父のあとを継いだジョージ。
幸せな結婚もし、うまくいっていたかに見えていた彼の人生だったが、事業のひとつのつまずきから窮地に追い込まれてしまう。
絶望したジョージは、吹雪のなか橋から身を投げようとするのだが、そこに現れた老人が…。
3月11日以降、地震や津波、それに追い討ちをかける原発の事故で、わたしたちは何十年何百年かかるか分からない負債を背負い込んでしまった。
それでなくても、どんな人の人生にも、大なり小なりつらいときも落ち込むときもある。実際の人生は、映画や物語のようにはいかないかもしれないし、映画なんか見ていられるかい、という時もあるだろう。
でも、ほんのひと時でも自分の人生って何の意味があるのだろう?と心を巡らせる日があったら、ぜひ見て欲しい一本。
楽しいクリスマスを。そして、希望の見える年がやって来ますように。
2011.12.24