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何かのニュースなどで、時々「これはSFを越えたようなできごとですねえ」とか、「まるで、SFみたいな話ですが…」とキャスターが言う時の『SF』は、単に、『未来的な出来ごとですねえ』という言葉の言い換えにすぎない。
『未知空間の恐怖 光る眼』 (1960年/監督ウルフ・リラ/ジョージ・サンダース、バーバラ・シェりー、マイン・スティーブンス) 『宇宙戦争』(1953年/監督ジョージ・パル)みたいに、円盤に乗った宇宙人が真っ向から攻め込んで来るのも怖いけれど、本当は、お隣りさんがいつの間にか全く別の生き物にすり変わってしまっているといった恐ろしさの方が、よりじんわりと背骨に響いてくるような気がする。 * ミッドウィッチ村に住む物理学者ゴードン・ゼラビーは、妻の兄アラン・バーナード少佐との電話中に気を失ってしまう。 気を失ったのは、彼ばかりではなかった。村中の人間が、同じ時に意識を失っていたのだ。 それから2ケ月後、ミッドウイツチ村の妊娠可能な女性の総てが子供を宿していることが分かり、それは、ゴードンの妻も例外ではなかった。 そして、生まれてきたのは、異常に知能の進んだ、けして普通でない子供達であった。 子供達の眠が異様な光りを宿す時、村人達の身に災難が降りかかる。果たして彼等は本当に人間なのだろうか……。 * 結末は、悲劇的である。それによって、人類が、救われたのかどうかもはっきりしないままに物語は終わる。 最後まで、ジットリと怖い映画なのだ。 原作は、イギリスのSF作家ジョン・ウイングムの「呪われた村」である。 似たようなシチュエイションのSFに「2001年」でもお馴染みのアーサー・C・クラークの傑作「幼年期の終わり」がある。(常にSFのベストテンの上位に位置している作品である) こちらは、オーバー・ロードというはっきりとした存在が地球にやって来て、地球人の子供達を進化させ、その結果人類の運命は……、というお話である。 どちらも、同じ地球人同志なのに、片方が進化してしまったために意思の疎通ができなくなる怖さを描いている。 そして、それは、相手が『宇宙人』になるともっと始末の悪いことになって行くのだ。が、今回は、そちらの話は置いておくとして……。 もう一つのタイプの侵略もの。 『SFボディー・スナッチャー』 (1978年/監督フイリップ・カウフマン/ドナルド・サザーランド、ブルック・アダムス、レナ−ド・ニモイ) * 公衆衛生局に勤めるジェフリーは、友達のエリザベスから、夫が別人になってしまったようだという相談をうける。 彼の回りに、次第にそんな人間が増えて行く。精神的な不安からくる妄想か?そうとばかりも言えないようだ。 そして、ついにエリザベスや彼自身の複製に出くわす羽目になる。 街は次第に彼等に乗っ取られて、追い詰められたジェフリー達は……。(結末は、原作と違って悲劇的だ) * 原作は、ジャック・フイニーの「盗まれた街」であるが、この「恐怖の街」(1956年/監督ドン・シーゲル/ケビン・マッカーシー、ダナ・ウィンター)のリメイク版は、最初から、SFよりホラーを目指して造られたように見える。 (残念ながら「恐怖の街」の方は、未だ見られずにいるのだが、こちらの方ができはいいらしい。 *その後ビデオで見ることができた。素朴な作りだが、確かにこちらの方が面白かった) 「光る眼」の方は、「どうやら、宇宙人が、何等かのパルスを送って、女達を妊娠させたのではないか」という推測が成されるだけだが、「ボディー・スナッチャー」では、侵略者の正体は、はっきり異星の生命体であることが明かされている。 彼等は、いちいち赤ん坊から成長し直すなどという手間を掛けずに、いきなり、他人になり変わつてしまうのだ。(ま、こっちの方が手っ取り早いわな) どちらも、ある意味での「寄生(パラサイト)」をテーマにしている。 * パラサイトといえば、最近話題になった本に「パラサイト・イヴ」(瀬名秀明・角川書店)があるが(ま、処女作にしては前半分はよく書けてはいるのだが、ホラーという割りには、ちっとも怖くなかったのが困ったところ)、その前に、「パラサイト・イヴ」のヒントになったのではないかと言われている「寄生獣」(岩明 均・アフタヌーンKC)という漫画が出ている。 こっちは、間違いなく90年代日本SFの傑作である。(けしてうまい絵とはいえないが) 「寄生獣」の中の異星生命体は、単なる侵略者としては描かれてはいない。地球人の体に寄生しつつも、自分達の存在意義とは何か、を自問し続け、「生命」と何か?「存在」とは何か?鋭い痛みを持って我々に問い掛けて来る。 そんな『侵略者』を描いた「SF映画」が、今まであったろうか? * 「寄生」ものといえば、 「遊星からの物体Ⅹ」 (1982年/監督ジョン・カーペンター/カート・ラッセル) 「遊星よりの物体Ⅹ] (1951年/監督クリスチャン・ナイビー/マーガレット・シュリダン、ケネス・トビー) があったな。 どちらも、「原作」は、ジョン・W・キャンベル・JrのサスペンスSFの傑作「影が行く」である。 原作の大筋は、南極の基地という一種の密室に、どんな生物にも姿を変えられる不定形生物「物体Ⅹ」が紛れ込んで、次第に基地の隊員同士が疑心暗鬼に陥っていく……。 というものなのだが、82年の「から」の方が「より」よりも、より原作に近い話になっている。 ところが、この作品も途中から、これまた見事に「パラサイト・イブ」と同じ過ちを犯してしまうのである。「怪物」と化した、「Ⅹ」との対決は、まさにスプラッタームービー以外の何者でもなく、味もへったくれもないグチャメチャへと転がり込んでいってしまうのだ。 結局、ジョン・カーペンターは、「SF」をやりたかったのではなく、「SFX(怪物)」を見せたかっただけなのか、と、前半がなければ、言ってしまいたくなるくらいである。 それほど映像に凝っていない(あるいは凝れなかった)前作や「光る眼」の方が、ずっとSF味が濃いのは、どう考えたらいいのだろうか……。 ▼ ちょいとばかり気分が沈んじまったなあ。それじゃあ、次回は地上を離れて、宇宙のドンパチでも。 1995.9.10
by ctkuromame
| 2005-09-12 08:08
| 少しばかりSFな日々
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