今年の邦画界最大の話題というと、やはり「おくりびと」のアカデミー外国語映画賞と「つみきのいえ」の短編アニメ映画賞の同時受賞だろう。
その後もさまざまな作品が公開されたわけだが、少なくとも、上田市という地域に限定してみれば今年は「サマー・ウォーズ」の年だったと言ってしまってもいいだろう。
今までも、さまざまな作品のロケ地となった上田だが、上田がそのまま舞台となって、ここまでヒットしたのははじめてのことだろう。
正直言って、「田舎の一族が団結して世界の危機に挑む」という設定が、はたして若い人たちに受けるのだろうかと心配だったのだが、幕を開けてみると、百万人以上の観客動員という大ヒットとなった。
そして、上田市にとっての影響は、単に「上田」という名前が知られたというだけではない。
アニメファンによる、
アニメのロケ地巡り…いわゆる「聖地巡礼」の目的地のひとつともなったのだ。
上田城跡公園などで、普段はあまり見かけないタイプの若い人たちが、ロケ地マップを手に歩いているのを目にした方も多いのではないだろうか。
「ロケ地上田」が、観光にも結びつく可能性を示してくれた出来事だった。
年末に来ても、「ゼロの焦点」等、上田ロケの作品が次々と公開され、映画館では特集も組まれたりしているが、これからは、単にロケ地となったというだけでなく、映画を離れてもいかに魅力的な土地となれるかが課題となるのだろうな。
2009.12.26