昨年末には、ジェームズ・キャメロン監督の久びさの大作「アバター」が公開されたりして、しばらく前からはじまったハリウッドの3D映画の波は、今年に入って更に本格化していくようだ。
3D、いわゆる「立体映画」は、50年代に赤・青2色のメガネをかけて見るタイプのものが出てきたが、映像的にもお粗末で、その上内容も伴わなかったからじきに飽きられてしまった。
その後も、何回かのブームらしきものはあったが、いずれも短期間で終わっている。
なぜそれでも立体映画が作られて来たのかというと、それは観客の要望というより、テレビに流れたお客を呼び戻そうというその時々の映画会社の意図があったからだ。
立体映画の仕組みは、ごく単純に言ってしまえば「右と左の目から、少しずらした映像を取入れて、頭の中で立体的な絵に組み立て直している」ということになる。
そのためには、専用のメガネが必要になる。今は、さすがに赤・青レンズのメガネより数段進んだものが用いられて、映像的にも格段に良くなっているが、基本的な原理は変わっていない。
日本では、まだまだ環境が整っていないから、3D映画制作という面に関しては、かなり出遅れた状況ではある。
ただ、CG映像が、単なるアトラクションから、ようやく「CGも道具のひとつ」の時代になってきた今だからこそ、むやみに目新しさに飛びつかず、ここはまず作品の質を充実させて欲しいものではある。
2010.1.1