以前は、年末年始の映画というと、邦画だと「男はつらいよ」などがかかるのが恒例となっていたものだが、今ではそんな息の長いシリーズものもほとんどなくなってしまった。
やはり、よほど面白い主人公が存在しないと、シリーズ映画は長続きしないということなのだろう。
そんななかで、誕生以来50周年を迎えたのが「007シリーズ」(原作の方は、来年で第1作発表から60年になる)。
50周年を迎えて作られた23作目が「007 スカイフォール」。
ある任務の遂行中に死んだと思われていたジェームズ・ボンドがMI6に戻ってくる。
彼が現場に復帰するには、スパイとしての適性検査を受けなければならないのだが…。
今回の物語の中で、盛んに強調されるのが「おまえはもう古い」「そろそろみんな世代交代の時だよ」ということ。
秘密兵器係のQも、すっかり若返ってコンピューターの天才のオタクっぽいお兄ちゃんになっている。
主役のボンドだけでも、初代のショーン・コネリーから今回のダニエル・クレイグまで6人を数えるが、やはりボンドのようなスパイの活躍できる時代は終わってしまうのか?
懐かしのアストンマーチンの登場といった、それぞれの過去の作品を見ていると一層楽しめる仕掛けがあちこちに埋め込まれている。
物語の流れから、全体的に押さえたトーンだが、50周年にふさわしい出来上がりの1本。
2012.12.22