「思いでのマーニー」
原作は、イギリスの作家ジョーン・G・ロビンソン。
「借りぐらしのアリエッティー」(10年)の米林宏昌監督の2本目の長編アニメ作品になる。
杏奈は、少し青みがかった瞳をした中1の少女。
杏奈の両親は彼女が幼いころに亡くなっており、今の心配性の母に引き取られて育ったのだった。
幼いころは明るかった杏奈だが、いつしか継母との間にも心の壁が出来、学校でも何となく孤立しており、絵を描くことだけが楽しみな日々を送っていた。
そんなある日、杏奈は持病の喘息がひどくなり、伯父夫婦のいる海辺の町でひと夏を過ごすことになる。
その海辺には、湿っ地屋敷と呼ばれるひと気のない古い洋館が建っているのだが、杏奈はそこでマーニーという金髪の少女と知りあったのだった。
はじめて会ったはずなのに、なぜか杏奈のことを知っているかのようなマーニー。親友になったふたりの間にあるえにしとは…。
非常に美しく、うつつと幻がないまぜになった物語で、怪談めいたところもあってファンタジーと言っていいのか迷うところだが、今までのジブリ路線とはかなり色合いの違う作品に仕上がっている(多分、宮崎駿だったら、ぜったいこうは描かないだろうなあという描写があちこちに見られる。それが長所でもあり欠点でもあり…と、個人的には思えたのだが)。
これからのジブリを考えると、ある意味重要な分岐点になる作品なのかもしれない。
2014.8.2