今年の夏は、石原裕次郎没後30年ということもあって、出演作品のDVDが発売されたり、テレビなどでも彼の話題が取り上げられたりしている。 亡くなって30年も経つのかと思うのと同時に、今の若い世代は、裕次郎全盛の頃をまったく知らないのだなあという感慨もある。 もちろん、テレビドラマの再放送や、映画をDVDで見たりして後追いで知っているという人も多いだろうが、それでも、やはり青春時代に裕ちゃんの映画を追いかけていた人たちのものとは、受け取り方にかなり違ったものがあるだろう。
彼の代表作の1本ともいえる「嵐を呼ぶ男」(57年)。 よく取り上げられるドラム合戦の場面だけのイメージだと、喧嘩に強い主人公の、男っぽい映画という感じだが、主人公はかなりのマザコン男だったりする。
確かにナイスガイだが、近ごろの細身のいわゆるイケメン俳優とはかなり違う風貌だし、今の若い人の感覚で見たら、どんな印象を受けるのだろうか?
ところで、山国の上田と石原裕次郎というとあまり縁がなさそうな感じもあるが、のちの青春学園ドラマの原点となった映画「青春とはなんだ」(65年)は、上田でロケされた作品だ。
裕次郎演ずるアメリカ帰りの高校の英語教師野々村が赴任して来る田舎の高校が第三中学校の校舎(撮影当時は北小学校に併設されていた)。覚えているよ、という方も多いことと思う。
まさに昭和の大スターだった裕次郎。彼ほどのスケールの俳優は、もう出てこない時代なのかもしれない。
2017.8.5