「クソ野郎と美しき世界」インパクト狙いの割には、平凡な言葉の羅列に見えなくもないタイトルの映画。 SMAPが解散して、事務所から独立した稲垣吾郎、香取慎吾、草なぎ剛の3人の主演で作られた作品だ。
特別彼等のファンというわけでもないのだが、いろいろ騒動があったあとで、いったいどんな映画ができたのか? という興味本位で見に行った次第。
4部に分かれたオムニバスで、園子温監督による稲垣吾郎の「ピアニストを撃つな!」、内山ケンジ監督による香取慎吾の「慎吾ちゃんと歌喰いの巻」、太田光監督による草なぎ剛の「光へ、航る」、児玉裕一監督によるまとめ的ラストの「新しい詩」から成っている。
どの話もシュールで、まったく別々の展開だが、最後にそれらが繋がっていく。
想像していたのとはかなり違った出来上がりで、けっこう面白く見られた、というのが正直な感想。
稲垣パートの園監督は、抑えめではあるがいつもの感じのノリ(ピアニスト役の稲垣が自分では全くピアノを弾いてないのがちょっとしらけるが)。内山監督の香取慎吾パートは、ちょっと変だがほんわかムードにまとまっている。なかでは、太田監督の草なぎパートの出来が予想以上にいいのは意外な感じでもあった。
役者として、一番伸びしろがあるのはやはり草なぎ剛というところだろうか。 期間限定で公開されたこの映画、見終わって面白かったと思うかつまないとなるか、意見の分かれるところだろうな、と思う作品ではあった。
2018.5.12